こんな日弁連に誰がした?
Author: JackDaniel | Posted: 10/02/21 12:24
Category: columns | Edit | [B]
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「自滅に向かうエリートたち。」
こんな帯のついた本が頼んでもいないのに送られてきて、僕はまた某大手宣伝大好き事務所の代表あたりが、自分の主張を宣伝するのに若手弁護士にまんべんなく送りつけたりしている本か、あるいはどちらかの選挙事務所からのプロパガンダ本かと思ってしばらく積んで無視していた。
しかし、それは僕の大きな勘違いで花水木法律事務所の小林正啓先生が法曹人口に興味がありそうなブロガーに献本して下さったものだったと知って急ぎ読んでみた(小林先生、面識はございませんがありがとうございます)。
本書には、日弁連の法曹人口その他司法改革についての関わり方の歴史が書かれている。資料考証のあり方も含め大変興味深く読むことができ、結論から言うと「日弁連の敗北」と結論づけられている。
東京の派閥でも法曹人口問題などについてなぜ若手の好みそうな単純に減少、との意見をとらないのか、それを理解するために勉強会などがぼちぼち開かれたりしてきた履歴はあり、その中で僕もなぜ現状こうなっているのかについて、何度となく聞かされたりしてきたのであるが、本書を読んで始めて理解できたところも多く、大変に勉強になった。
しかし、本書は現在の状況を「日弁連の敗北」と結論づけている。再選挙を控えて反主流派の宇都宮候補に有利なのかなぁとも思うところ(本当は選挙に影響を与えたくないので選挙後に発売させたとのこと)だが、結局ではどちらへ進んでいけばいいかの主張をはっきり出されていない。
そのため、僕がいつも思っている、そもそも本当に法曹人口増へ向かうことが仮に一時的な「若手弁護士の敗北」ではあっても、直ちに日弁連の敗北なのか、との疑問は払拭されなかった。
そういう本ではないことはわかっているのだが、できれば選挙後に出す予定であったことも含めて筆者の小林先生の考える未来の法曹界のグランドデザインを見せて欲しかったと思うところである。
いずれにせよ、選挙に関係あってもなくとも、司法改革、法曹人口の議論をする上で必読の本であることは確かだ。
そして、こう書いた以上、僕の未来への思いを一部述べたい。
要するに、現在の状況はこうだ。今回の選挙の結果がどうでようとも、日弁連だけでなく僕も含めた弁護士たち自身が、古き良き時代にはもはや後戻りはできないことは明らかではないか。
だとすれば、一時的かどんなスピードかは別として、法曹人口は増やさざるを得ず、目先のことだけを考えて法曹人口減少の話をしたとして、果たしてそこに数十年先の法曹界のデザインは描けているのか。
法曹人口を抑えるとして、非法曹の非弁行為を取り締まれるのか。弁護士法72条は守れるのか。
山本候補からなぜかはっきり伝わらず、かつ宇都宮候補に欠けているのはこのあたりの観点や全体としてみた場合の国民の権利実現がどうなされるかという部分の意識ではないだろうか。
現時点での票読みはあまり選挙運動に関係のない僕にはわからない。
しかし、これまでの執行部からの路線変更と法曹界・・・もとい、弁護士の数十年後の未来、これは国民の数十年後の司法との関わりということになるのであろうが、について責任をもっていることを強く訴えられる候補が勝利するのではないかと思われる。
地方と東京、とか、若手とベテラン、とか、わかりやすすぎる対立軸は歴史を見るとちょっと怖いなぁと感じた。そんな単純な話ではないと。
国民の権利実現、自由のため、などというと若手の生活はどうなるとの声もあり、いや、僕だって毎年毎年不安に感じながら仕事をしているのであるが、今は革命のときなのだろう。
きれい事だとの批判もあろうが。
革命はきれい事だ、との反論もあり。
本当の革命派は、どちらだ。(やっぱり選挙の話を書いてしまった・・・)
頂いたコメント
1 : Rolling Stone : 10/03/31 18:46 ID:???
2 : rainbow : 10/02/25 01:18 ID:???
私は山本先生からはっきりと未来像をお聞きしましたよ。
でも、それは選挙の公示前。
最近は“後戻り派”に気配りをしておられるようで、今一つ立場が分からないと思われてしまっているようです。
僕もこの本を読みました。
客観的でよくまとまっていて、なかなか読みやすかったです。
小林先生自身の未来像を示していないことにより、客観性が保たれていたのではないかと。
僕には送ってきてはくれませんでしたが・・・